銘(表)
南都住金房兵衛尉政次
銘(裏)
(金象嵌)寛文二壬寅 貳ッ胴裁断 山野加右衛門永久(花押) 三月吉辰
商品番号
KA-132
価格
3,300,000円 (税・送料込み)
鑑定書
特別保存刀剣
時代
室町時代
刃長
66.9cm
反り
1.4 ㎝
元幅
2.9㎝
元重
0.5 cm
先幅
2.0 cm
目釘穴
1
国
大和国
鎺
金着二重はばき
(解説)
金房派は大和の手掻派の末流にて室町時代後期、永禄頃に大和の興福寺の近くで作刀して栄えます。 政次は金房派棟梁にて兵衛尉を任官し、戦乱期に切れ味の良い刀や槍を制作しており、戦国大名の池田恒興の特別注文に応じて制作した刀なども現存しています。 黒田節で有名な日本一の槍(日本号)や、本田忠勝の蜻蛉切と称する槍なども金房派のものです。 本刀は、直刃基調に焼き刃が高く、浅い小互の目を交えて刃中明るく、足と葉が良く入り、佩き表に素剣、佩き裏に梵字の生彫りを有し、頗る健全で出来が優れています。 当時より切れ味の良い業物として知られており、1595年(文禄4年)高野山で切腹した、豊臣秀次の介錯にも同作が使用されました。銘「南都住金房兵衛尉政次」介錯した雀部重政(ささべしげまさ)の子孫にその刀は受け継がれて近年、大阪城天守閣内の博物館へ寄贈されています。 本刀は、試し切りの名人である山野加右衛門永久が寛文二年に、試し切りを行い業物として、その切れ味の良さを茎に刻んでいます。江戸新刀などを用いた試し切りが多い中にあって、本刀の様に古刀を使用した試し切りの例は少ないため、特別な伝来であったことが解ります。清浄の感が伝わるばかりでなく、所持者の信頼を違えない優刀であり、本間薫山(古刀研究の権威)氏の鞘書にて、典型作と称賛される裁断銘入りの優品です。