銘(表)
兼常作
銘(裏)
商品番号
KA-125
価格
ご案内終了
鑑定書
日本美術刀剣保存協会 特別保存刀剣
時代
室町時代
刃長
70.2 cm
反り
2.0 cm
元幅
3.1 cm
元重
0.6 cm
先幅
2.1 cm
目釘穴
1
国
美濃国
鎺
金着一重
(解説)
兼常は兼定、兼元などと末関物を代表する刀工である。
室町時代の各時代に何人かおり、識別は難しいが本刀は天文頃の武藤兼常家の祖と思われる。
元亀二年(1571)7月織田信長より鍛冶職安堵の朱印を賜り、関鍛冶総領事と称す。
天正頃関に千手院を建立、天正十六年(1588) 十月没。
法名 ー 千手院殿天翁元沢庵主
鎬造り、庵棟低く鎬巾は狭めで、重ね厚く平肉少なめに、刃肉のややついた身巾の広い、大物切れのしそうな造込みとなり、切先は中切先でフクラはやや枯れる。
手元に踏張りのついた、堂々とした刀姿になる。
板目に杢交じりで細かく肌立ち、微塵の地沸が厚くつき、肌に添って地景が沈む。
鎬筋近くに淡く映り表裏に表れ、鉄色は青黒く、よく 練れた力強い鉄となる。
刃文は直刃に仕立てた小互の目で、所々尖刃を交じえ、刃中は足、葉よく入り中程より横手に向って沸がつき、匂口は水々しくやや沈みかげんとなる。
帽子は乱れてよく沸え、先は小丸に返る。
彫物 ― 表裏に丸止めの棒樋を掻く。
茎 ― 生ぶ、肉豊かについて刃方が張り、短寸で頑丈、茎尻は刃上り栗尻
附 ー 白鞘
応永備前をおもわす刃文と、落ちつきのあるよく練れた地鉄は、強く美しいことから風格があり、一時代上がって見える。
末関を代表する刀工であり、地・刃健全で出来も優れていることから、本刀は優秀刀図録に所載されいる。