【兜】 鉄錆地置手拭形兜 

OkITENUGUINARI KABUTO

商品番号
YS-016
(解説)

鉄錆地置手拭形兜    ( 江戸時代 )

頭上に折り畳んだ手拭を置いたような形状から、置手拭形兜と呼ばれる変わり兜の一種で、主戦武器が火縄銃となる戦国時代に、高い軍事力を持った紀伊国の雑賀衆により製作されといわれます。  置手拭形兜は、火縄銃の弾丸を後方へ受け流すために改良された兜で、従来の兜よりも防御力に優れていました。 本作は両側面に三枚づつ鉄板を環状に継ぎ合わせ、その上に天辺の鉄板二枚を置き、鉄板の重なる部位に補強と装飾を兼ねた花菱模様の共鉄に、鋲頭を尖らせた五本の大型星鋲を力強く打ちます。 側面と後方にも大きさの異なる大型星座を三本打ち、頑丈に補強されています。 両側面の六枚の鉄板と天辺の鉄板の重なる部位にも、十本の丸鋲に座金を置き、大型鋲で鋲留を施しています。 眉庇には、雑賀兜鉢特有の切鉄(鉄片)による眉を打ち付け、吹き返しに武門の家紋を左右に据え、錣を鉄地黒漆塗日根野五段綴としています。  前立ての鍬形と中央の丸に十文字紋は、以前は金箔が施されており、前立台と鍬形は丸鋲で固定されています。 特筆すべきは、置手拭形兜の多くは、天辺の鉄板が後方に頭形に湾曲するのに対して、天上鉄板を湾曲させずに直線的にすることで、後方部分に隙間を設けて兜内の通気を良くする機能を設け又、天辺を斜め直線的にする視覚効果は、戦場に於いて猛々しく映り、自己を顕示するには充分な造形美も兼ね備えた異形な兜といえます。

価格
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【取り扱い品】
金属工芸 (置物、花器、香炉)、武具 (兜)、武具 (鎧)、日本刀(太刀、刀、脇差、短刀、槍、薙刀)、お拵え、刀装具(鍔、目貫、小柄、笄、縁頭、)、漆芸品(ぬりもの)、蒔絵工芸、屏風 等
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